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 新型コロナウイルスの感染者が誰と接触したかを洗い出すため、日本で来月上旬にも、個人のスマホの記録を使った追跡システムが動き出す。利用を希望する人は専用アプリをダウンロードすることで、濃厚接触の疑いがあった場合に通知を受けられる。政府は、感染者の行動把握に手間取る現状を打開したい考えだが、先行するシンガポールでは、プライバシー侵害への懸念から導入者が伸び悩んでいる。

拡大する写真・図版シンガポールが導入した感染者との接触者追跡アプリ「トレース・トゥゲザー」の導入画面。「新型コロナの感染拡大防止を支援してください」との呼びかけがある=19日、西村宏治撮影

 日本がシステムのモデルとするシンガポール。3月20日、同国政府のデジタル技術部門を率いる担当相が、感染者に接触した人をつかむためのアプリ「トレース・トゥゲザー」(共に追跡)の内容を発表した。

 担当相は「利用者の位置情報は集めない。プライバシーに配慮した」とも強調。携帯電話にアプリを入れて起動すると、一定の距離内にある同じアプリが入った他人の携帯の情報を記録する仕組みだ。利用者の感染が疑われる場合、本人の携帯に残る他人との接触の記録を政府が提出させ、接触者に電話で連絡する。

 アプリの利用は任意で、使用時には政府に情報が渡ることへの同意も求める。担当相の発表直後にアプリを入れた会社員の男性(34)は「昨年生まれた子どものため、感染者との接触を早く知りたかった」と話す。ただ、周りに利用者は少ないといい、「政府にデータを取られたくないという人も多い」と語る。

 政府によると、アプリのダウンロード数は現在、人口(約570万人)の約5分の1に当たる100万超。利用者はその一部にとどまっており、ローレンス・ウォン国家開発相は地元メディアに「効果を発揮するには人口の約4分の3のダウンロードが必要だ」と説明。見込んだ効果が出ていない現状をにおわせた。

 シンガポールは当初、感染者への聞き取り調査で濃厚接触者を探ってきた。街頭の防犯カメラの映像解析なども利用してきたが、感染者が急増した3月中旬以降、従来の手法では追いつかなくなっていた。

 シンガポール国立大で感染症対策を指導するスー・リーヤン准教授は「接触者の追跡は手間がかかる。携帯の位置情報を使えば効果的だが、プライバシー侵害の危険がある。代わりとなるこのアプリだが、効果は利用者数しだい」と言う。

日本政府「国が音頭とって個人情報持たない」

 日本が導入をめざすアプリの仕組みは基本的にシンガポールと一緒で、シンガポールが公開しているプログラムの設計図にあたる「ソースコード」をもとにアプリをつくり、5月上旬にも利用を始める。大きな違いは官民で開発していることだ。民間の一般社団法人「コード・フォー・ジャパン(CFJ)」がつくり、政府はこれに協力するという立場を取る。

 政府が個人の接触履歴などを把…

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