河井案里参院議員が初当選した昨年7月の選挙運動をめぐり、公職選挙法違反(買収)罪で起訴された公設秘書、立道(たてみち)浩被告(54)らが、違法とされる車上運動員への報酬額が決まる過程を広島地検に詳細に供述していたことが関係者への取材でわかった。立道被告らは案里氏の夫の克行衆院議員が選挙運動を主導し、資金を管理しているとの認識があったとの趣旨も供述していたことも判明した。
関係者が明かした供述内容などによると、立道被告は克行氏の秘書を務めていたが、2018年末に退職。しかし参院選に案里氏が立候補を表明後、知人を介して手伝うよう頼まれた。案里氏の運転手を務めていた昨年6月上旬、克行氏の政策秘書の高谷真介被告(43)=同罪で起訴=を通じ、遊説日程などを作成するよう依頼された。
陣営が法定上限の倍の1日あたり3万円の報酬を支払ったとされる14人の車上運動員。それぞれ仲介役が異なる、二つのグループで構成されていた。
同6月上旬、選挙事務所で片方の仲介役と事務長(71)=公選法違反容疑で逮捕、処分保留=が打ち合わせをした。立道被告が内容を事務長にたずねると、報酬について3万円超という額が俎上(そじょう)にのぼったという。立道被告は自分が遊説担当になるなら、グループ間で報酬額に差がない方が対応しやすいと考え、「もう一方はいくらですか」と聞くと、「3万円」と答えたと供述している。
この額について事務長は、このやり取り以前に高谷被告から伝えられていたと供述。違法と知っていたが、事務所の方針、つまり克行氏の方針と思い、従うしかないと考えたという。
一方、立道被告も河井夫妻の…