新型コロナウイルスの感染拡大は、権力側が強硬な姿勢に拍車をかけ、国民への干渉を強める格好の口実となりつつある。その舞台の一つがアジアで、国際的な人権団体がカンボジアやフィリピンなどの状況に懸念を示した。一方、オーストラリア国内で出ているのは厳しい規制に伴う「警察国家化」を懸念する声だ。
「非常事態が宣言される可能性は、0・1%しかない」。カンボジアのフン・セン首相は7日の記者会見でそう述べた後、付け加えた。「それでも、我々はこの法律を手にしておく必要がある」
新型コロナの感染拡大を受け、カンボジア政府は非常事態宣言に向けた法整備を進め、法案は10日に下院を全会一致で通過した。17日には上院でも承認された。内容は多岐にわたるが、メディアに対する規制強化や無制限の通信傍受など、表現の自由や人権に関わる条項が含まれている。
宣言の対象は、新型コロナのような公衆衛生上の事態に限らない。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のフィル・ロバートソン氏は「カンボジア政府は危機を利用して、フン・セン首相の権力を絶対的なものにしようとしている」と指摘する。
兆しはもう現れている。HRW…
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朝日新聞国際報道部