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 河井案里参院議員(自民)が初当選した昨年7月の選挙運動をめぐり、公職選挙法違反(買収)罪に問われた公設秘書、立道(たてみち)浩被告(54)の初公判が20日、広島地裁(冨田敦史裁判長)であった。被告側は起訴内容の認否を留保したが、関係者によれば、次回以降、起訴内容を認める方針だ。留保は具体的な立証方針を固めるため証拠の精査が必要と判断したためとみられる。

 この裁判は公選法が規定する「百日裁判」として起訴から100日以内の判決を視野に審理が進む。立道被告に禁錮刑(執行猶予を含む)以上が確定すれば、連座制に基づき案里氏の当選無効の可能性が出てくる。検察側は立道被告が報酬額決定や報酬支払いへ果たした役割を明らかにしたが、案里氏やその夫克行衆院議員の関与について言及しなかった。

 罪状認否では、弁護人が「次回にします」と述べ、裁判長が「留保でいいですか」と確認すると立道被告はうなずいた。

 検察側の冒頭陳述によれば、立道被告は昨年5月上旬ごろから案里氏の陣営で働き始め、遊説全般の責任者として、遊説日程などの行程表データを自らのUSB内に保存していた。

 検察側は法定上限の倍となる3万円の報酬の決定や支払いの経緯も指摘。選挙カーに乗る車上運動員14人は2グループに分かれていた。うち一つのグループの仲介役が、克行氏の政策秘書高谷真介被告(43)=同罪で起訴=に報酬について昨年5月21日に確認すると、1日あたり3万円と回答。一方、もう一つのグループのリーダー役は昨年6月5日、日当は4万円程度との要望を陣営側に伝えた。

 立道被告は後者のグループの報酬額について、事務長(71)=同法違反容疑で逮捕、処分保留=に確認。高谷被告にも額を確認すると、数日後、高谷被告から両グループの額は3万円と聞かされた。

 こうした経緯で報酬が決まり、支払いの際、立道被告は会計担当者に運動員ごとに領収書を2枚に分けるよう具体的に指示。1枚は選挙運動費用収支報告書に記載できるよう法定上限の1日1万5千円で計算し、費目を「車上運動員報酬」とした。もう1枚は公示日前の日付で「人件費」としていたという。次回は5月19日。