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 介護の現場で、「シングル化」が進んでいる。50歳まで未婚の人の割合は、介護保険が始まった2000年からの15年で、男性で1.9倍、女性で2.4倍まで増加。きょうだいの数も減る中で、家族の介護の負担が1人の子どもに集中する状況も生まれている。

入院した母に付き添い 父の見守りどうすれば

 香川県で11年間、両親の介護にあたる女性(63)もそんな一人だ。独身。唯一の兄は30代で病気で亡くなった。

 介護は突然始まった。故郷の父(98)と母(94)が相次いで転び、腰を骨折。「もう2人だけで生活するのは無理。私が面倒を見るしかない」。兵庫県で働いていた女性は3カ月後、31年働いた勤務先に離職を告げた。

 すぐにシングル介護の課題に直面した。実家に戻った翌年、母がくも膜下出血で倒れた。近県の大学病院に運ばれ、入院は半年に及んだ。女性は付き添いで病室での寝泊まりを余儀なくされる中、見守りが必要な父をどうすればいいか。ケアマネジャーらが総出で受け入れ先を探してくれ、高齢者住宅を何とか見つけて、しのいだ。

 その後も、要介護5の母と要介護1の父を自宅で介護しながら、たびたび「身が一つしかない」問題に直面した。

 大型台風が接近する中で母が高熱を出して救急搬送されたときは、母の病院で畳敷きの外来待合室に父を寝かせてもらって、一夜を明かしたこともある。「急に受け入れてくれる先がない。介護保険は約2カ月前に計画を立て、曜日変更すらできないことが多い。緊急のとき役に立たない」

大変だけど、「かわいそう」ではない

 両親を自宅で介護しようと、築50年の自宅を徹底的に改修した。理学療法士やケアマネジャーらのアドバイスのもと、介護保険も活用し、床はバリアフリーにし、トイレには便座昇降機を設置。車いすで入れるように風呂も直した。さらには、デイサービスや訪問介護、月12日間のショートステイ……。「準備万端整え、ありとあらゆるサービスを利用しました」

 ただ、それでも1人での介護は…

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