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 20日の原油市場で、指標となるニューヨーク商業取引所の「米国産WTI原油」の先物価格が一時、前営業日より約5割安い1バレル=8ドル台後半まで急落した。1986年以来34年ぶりの安値水準だ。新型コロナウイルスの影響でエネルギー需要が激減、回復のめども立たないことが背景にある。

 WTI価格は今年初め、1バレル=65ドル前後をつけていた。4カ月で50ドル以上、値下がりしたことになる。世界中で航空便が減るなど需要が急減して在庫が急速に積み上がる中、米国で石油貯蔵が能力いっぱいに近づいているとされ、21日に取引最終日を迎える5月分の先物価格の大幅下落につながっている。

 国際エネルギー機関(IEA)が15日に発表した世界の石油需要見通しでは、今年は前年より、日量で世界供給量の約1割に相当する930万バレル減ると予測。4月は、欧米などの新型コロナ感染がピークを迎えていることから特に落ち込み、前年同月より2900万バレル減るという。

 価格安定に向けて石油輸出国機構(OPEC)などが5月から過去最大の日量970万バレルの協調減産を決めているが、市場の不安は拭えていない。(ロンドン=和気真也)