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 イスラエルのネタニヤフ首相と、野党を率いるガンツ元参謀総長は20日、連立政権の樹立に合意した。イスラエルでは、昨年4月から3回の総選挙を繰り返しながら、両勢力が政権を樹立できない状況が続いてきた。今回も政権が成立しなければ4回目の選挙の可能性もあったが、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、「緊急内閣」の必要性で一致した。

 新政権は、現政権の右派・宗教勢力に、ガンツ氏らの中道・左派勢力の一部が加わる「大連立」となる。最初の1年半はネタニヤフ氏が首相、ガンツ氏が副首相となり、1年半後に役割を交代するという、異例の合意内容だ。

 合意に向けた最大の懸念は、ネタニヤフ氏が汚職疑惑で来月に初公判を迎えることだった。イスラエルで、裁判を受けながら首相を務めた前例はない。被告の立場で首相に就任することの是非を問う訴えも起こされており、最高裁が近く判断を出すとみられる。最高裁が首相続投を阻まなければ、国会の採決を経て新政権が発足する。

 政権合意は、中東和平をめぐって、パレスチナ自治区の一部であるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地などについて、イスラエルへの併合に向けた法改正の議論を容認する内容となった。パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は「2国家解決の終わりを意味する。国際法に基づいたパレスチナ人の権利を奪うものだ」と反発している。(エルサレム=高野遼)