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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界的に人の移動が困難になる中、外務省がアフリカ15カ国から10のルートを使って日本人約300人を帰国させた。茂木敏充外相が20日、共同通信社の講演会で明らかにした。それでもまだ全世界には帰国のメドが立たない日本人が約750人いるという。

「非常に複雑なオペレーション」

 茂木氏の講演は外務省内からのライブ中継で行われた。茂木氏は「海外に在留する日本人や渡航者が国境閉鎖や外出禁止令、航空便の停止などで帰国困難になる事例が世界的に発生している」と紹介。「アフリカ15カ国から10のルートを使う非常に複雑なオペレーション」を成功させたことを明らかにした。

 外務省によると、同省が使ったのはアフリカで唯一日本への定期便が運航を続けているエチオピア航空。17、18両日、ケニア、ガーナ、セネガル、南スーダンなどから、在留邦人に空路でエチオピアの首都・アディスアベバに集まってもらった。そのうえで4便に分けて18、19両日に現地を発ち、20日夜までに全員が無事帰国したという。

 南スーダンからの移動では米政府の協力を得て、米国人のためのチャーター機に便乗。一方で、韓国・ソウル経由で成田空港に到着した便には韓国人約70人が同乗した。外務省幹部は「最初に聞いた時は成功するのかと思ったが、ほっとした」。茂木氏はなお世界中に残る日本人らについて「早期帰国を実現したい」と語った。(佐藤達弥)