「鷗外邸残すため決断」 コロナ影響でゆかりの旅館閉館

有料記事

伊藤恵里奈
[PR]

 作家・森鷗外(1862~1922年)ゆかりの旅館「水月ホテル鷗外荘」(東京都台東区)が、新型コロナウイルスの影響で5月末に約80年の歴史を閉じる。敷地内には鷗外が代表作「舞姫」を執筆した旧邸があり、全国各地からファンが足を運んだ。おかみの中村みさ子さん(63)は「鷗外旧邸を後世に残すため、経営体力があるうちに決断した」と語る。

 鷗外は1888年、ドイツ留学から帰国した。翌年、海軍中将の赤松則良男爵の長女・登志子と結婚し、赤松家の持ち家を新居とした。これが現在の鷗外旧邸にあたり、鷗外はここで「舞姫」や「うたかたの記」を執筆した。

 鷗外はわずか1年後に離婚して、千駄木に居を移した。旧邸はその後、所有者を変えながら関東大震災東京大空襲などにも耐え残ってきた。

 1946年、旧邸に隣接する…

この記事は有料記事です。残り673文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません