難民150人、ギリシャで集団感染 カメルーンなど出身
国際移住機関(IOM、本部スイス・ジュネーブ)は21日、ギリシャ南西部の海沿いのホテルで集団生活を送る難民申請者ら150人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。症状が出ている人はおらず、一緒に生活する471人全員が隔離され、地元当局は町全体に15日間の移動制限をかけた。
集団感染があったのは、ギリシャ南西部ペロポネソス半島のリゾート地ポルトヘリにあるホテル。ここで生活する人を支援するIOMによると、感染者にはホテル従業員とIOM職員が1人ずつ含まれる。
難民申請者は主にアフリカのカメルーンとコンゴ民主共和国から来た人たち。前の週に最初の感染者が見つかってから急速に広がった。
ギリシャには、主にトルコを経由して大勢の難民・移民が渡って来る。島嶼(とうしょ)部では一時滞在施設の収容人数を大きく超える難民が押し寄せ、劣悪な環境が問題になっている場所もある。
ポルトヘリでは、通訳や心理学者を含むIOMの支援チームが活動。ホテルの従業員とともに、欧州連合(EU)からマスクなどの提供を受けている。IOMは「この厳しい時期に、難民申請者が孤独を感じることのないようにする」としている。(ジュネーブ=吉武祐)
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