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 長崎県は22日、長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼(こうやぎ)工場に停泊中のイタリアの客船「コスタ・アトランチカ」(8万6千トン、乗員623人)内で、新たに外国籍の乗員33人が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。すでに感染が確認されている1人と合わせて34人に上る。重症者は確認されておらず、陽性者は個室で隔離しているという。乗客はいない。

 クラスターの発生を受け、県などは今後、残りの乗員のPCR検査をし、陽性者と陰性者に分ける方針を決めた。陰性者は早期帰国をめざし、陽性者は軽症の場合は船内で待機させ、重症者はまずは県内の医療機関で引き受けることを確認した。今後、医療・搬送支援のため自衛隊に災害派遣要請を行う予定という。

 県などによると、19日に運航するコスタクルーズ社から「4人に発熱の症状がある」と長崎市保健所に連絡があり、PCR検査の結果、1人が陽性と判明。濃厚接触が疑われる53人と料理スタッフ4人を21日から検査していた。コスタ社日本支社によると、二十数人に発熱症状が出ていた。

 客船は中国で修繕する予定だったが、新型コロナの影響で変更され、2月20日から3月25日まで三菱重工の工場で修繕していた。その後、海上での試運転などを経て、4月1日から香焼工場に接岸していた。

【動画】クルーズ船「コスタ・アトランチカ」で乗組員がコロナ感染=堀英治撮影

 三菱重工の子会社三菱造船は当初、3月14日以降は乗員は船内にとどまっていたと説明していたが、22日の記者会見で、船会社の判断で乗員の下船が行われていたと訂正した。担当者は「長崎市内の病院に行ったり、タクシーで行ったりしたと思うが、改めて確認する」と述べた。

 県は3月に下船させないよう三菱側に要請していたが、中村法道知事は「三菱重工から出入りはないと聞いていた。大変残念」と述べた。