支援金支給は「本来国がやるべきだ」 北海道知事が指摘

斎藤徹 松尾一郎
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請を受け入れた事業者に対し、独自の支援金支給を決めた北海道の鈴木直道知事は22日の定例会見で、「本来国がやるべきだが、国が動かないから、しょうがない。やるしかない」と、政府の対応に不満を表明した。また、5月6日までの緊急事態宣言の期間後の対応を判断するため、住民を対象とした抗体検査を行うべきだとの考えも示した。

 道内では、道の休業要請に応じた一部業種の法人に30万円、個人に20万円、アルコール提供時間の短縮に応じた飲食店に10万円を「支援金」として出す。札幌市など一部自治体が一定額を積み増す制度を設けるが、自治体ごとに受け取れる総額が違うという格差が生じている。

 道は財政が厳しく、財源にする臨時交付金も国からの割当額がまだ確定していない。道は「乾いた雑巾を絞りに絞って」(鈴木知事)、支援金のために約70億円の予算枠を確保した。鈴木知事は、都道府県や市町村の支援割合などについて「国としてルールを作った上で、(国が)協力に対する仕組みを構築するのが筋だ」と指摘した。

 また、緊急事態措置の緩和や解除に関しては「抗体検査はやるべきだと思うし、そうでないと、今の状況をどう捉えるかの指標が客観性に乏しい部分がある」と指摘した。米国では、クオモ・ニューヨーク州知事が住民3千人に抗体検査を疫学調査として行って、商業活動再開に向けた判断材料にする方針を示している。鈴木知事も同様の意向を示した格好だ。

 現役全国最年少の鈴木知事は、23日に就任1年を迎える。(斎藤徹、松尾一郎)

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