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 余った食品を寄付してもらい、生活に困っている人に届けるNPO法人「いしかわフードバンク・ネット」の在庫が品薄状態に陥っている。新型コロナウイルスの感染拡大で仕事が減り、生活に困る人が増えているためだ。一方、感染拡大防止のために受付窓口の一部を休止せざるを得ない苦しい事情もある。

 菓子、缶詰・びん、穀類などと仕分けされた棚のケースには、空きが目立っていた。金沢市のいしかわフードバンク・ネットの保管室。担当者は「特に、米やご飯のレトルトパックが足りない」と話す。

 フードバンク・ネットはいわば「橋渡し役」だ。企業や個人から集めた食品を、社会福祉協議会や母子寡婦福祉連合会など生活に困った人を支援する団体に渡している。

 金沢市社協の担当者によると、フードバンク・ネットの食品を提供する機会は増えている。

 国は、従来は低所得者ら向けだった生活福祉資金貸付制度の対象を拡大し、新型コロナ感染拡大に伴う休業や失業で収入が減った世帯も生活資金を借りることができるようになった。各市町の社協が、その申込窓口となっている。

 金沢市社協には、3月下旬から1日平均でおよそ50件の貸し付けの相談があるという。飲食店経営者やジムのトレーナー、運転代行業者など職種はさまざま。「3、4月はほとんど仕事がない」「当面の生活費がない」といった訴えが相次いでいるという。

 担当者は「相談の中で『あした食べるものがない』と打ち明ける人もいる」。そうしたとき、フードバンク・ネットの食品を渡すという。

 ただ、ニーズは増えているが、受け入れ窓口は減っている。主に個人から食品を受け入れてきた金沢市内3カ所と輪島市内1カ所を、感染防止のために休止したからだ。現在は事務所への持ち込みや、郵送や宅配での寄付を受け付けている。青海万里子理事は「企業の災害備蓄品の見直しなどがあれば、少し早めの寄付を検討いただけるとありがたい」と呼びかける。

 いしかわフードバンク・ネットは金沢市西念3丁目の石川県勤労者福祉文化会館内。問い合わせは電話(076・222・3310)。対象は賞味期限が1カ月以上残っている食品。持ち込みの場合は事前の連絡を求めている。(沼田千賀子)