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 鉄の街・北海道室蘭市で解体寸前だったユニークな円形校舎が残ることになった。市が解体を決め、解体費は議会で認められた。行政や自分たちの代表には任せられないと市民が始めたクラウドファンディング(CF)で、目標額の1千万円を集める期限は2週間。最終日午後になっての「逆転ホームラン」のわけとは。

 円筒形の校舎は360度に窓が配され、風光の採り入れがとてもよい。高度経済成長期の1950年代から広がり、全国で100棟を超えたが、老朽化で役割を終え、大半が解体された。

拡大する写真・図版2棟並んだ円形校舎。解体を免れた体育館棟(左)と教室棟=2019年8月、北海道室蘭市

全国に広がった円形校舎

 室蘭市民が買い取ったのは、旧・絵鞆(えとも)小学校の体育館棟だ。明治末に製鉄所や大砲を造る製鋼工場ができてから、鉄とともに発展してきた工都の証人でもある建物だ。

拡大する写真・図版円形校舎を紹介する1954年4月27日の朝日新聞夕刊

 1892(明治25)年開校の同小は、戦後ベビーブームで子どもが急増し、老朽化した木造校舎では手狭になった。1958(昭和33)年に教室棟、その隣に60年、体育館棟が建てられた。

 ともに鉄筋コンクリート造り3階建て。高度経済成長期が終わり、鉄鋼不況に見舞われた室蘭市の人口はピークの16万人(1970年)から半減した。近隣の学校との統廃合で2015年、閉校になった。

拡大する写真・図版全校児童が体育館に集まった旧絵鞆小学校の閉校式=2015年2月14日、北海道室蘭市

改修費「2億円以上」

 体育館棟は耐震強度が低く、改修に「2億円以上」かかり、維持費もかさむとして、市は解体の検討を始めた。

 17年末、2棟の保存・活用を掲げて、立ち上がったのが市民たちだ。だが、市側との交渉がうまくいかず、計画は暗礁に乗り上げた。それでもあきらめきれない市民たちがすがったのが、CFだ。

 中心になった「旧絵鞆小活用プロジェクト」の代表、三木真由美さん(46)も「成功は難しいだろうな」と感じていた。しかし、奇跡は起きた。絵鞆小出身の有名人の存在も、事態を好転させることになる。だが、「逆転ホームラン」まで、さらに2年待たなければならない。

 当初、市民たちの構想はこうだ…

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