マイナス成長の中国 「世界の工場」が迎えた分水嶺

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北京=福田直之
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、中国の今年1~3月期の成長率が、統計を公表し始めた1992年以降初めてマイナスに落ち込んだ。経済再開に向けた動きが広がるが、数十年かけて築いてきた「世界の工場」としての地位は、岐路を迎えている。

 「追加で1億枚のマスクや1千万着の防護服など緊急で必要な医療物資を東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に提供する」。李克強(リーコーチアン)首相は14日、日韓やASEANとのテレビ首脳会議で述べた。

 新型コロナウイルスの主戦場は中国から世界に移り、防疫物資は各国で不足している。中国が展開する「マスク外交」を裏打ちするのは膨大な生産力だ。

 中国が物資を送れば影響力を高められるだけでなく、いち早い生産力の復活も世界に印象付けられる。だが、日本政府関係者はかえって「中国に生殺与奪の権を握られるような状況だ」と恐怖を感じる。

 天安門事件後の停滞を経て、1992年の最高指導者・鄧小平氏による「南巡講話」で改革開放は勢いづき、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟以降、中国は「世界の工場」としての地位を固めた。19年の世界への輸出額は2兆5千億ドル(約270兆円)。01年の9・4倍に達した。

 だが、「世界の工場」は新型…

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