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 群馬県上野村で2017年11月、機長ら4人が死亡した東邦航空(東京)のヘリコプター墜落事故で、国の運輸安全委員会は23日、調査報告書を公表した。機体の整備が不適切だったため、後部回転翼のボルトが破断して回転翼が機体から外れたことが原因と推定されると結論づけた。

 墜落したヘリは、時計回りに回転する主回転翼で揚力を得て、右後部の後部回転翼で機体の回転を抑えて飛行する。当時、物資の運搬作業を終えて山梨県から栃木県のヘリポートに向かう途中で、緊急着陸しようとしていた。

 目撃情報やレーダーの航跡記録から、ヘリは「バリバリ」と音を立てて減速、左回りに回転しながら急降下したことが判明。後部回転翼は墜落現場から約60メートル離れた場所に落ちていた。

 機体を調べると、後部回転翼の羽根を支えるボルトが破断していた。整備記録から、事故の約2カ月前にボルト外側の部品が粉砕された状態で見つかったことが分かったが、会社側はその部分を交換しただけで周囲に傷や金属片が残っているか確認していなかった。

 金属片が残っていると周りの部品と固着しやすくなり、外から加わった力を逃がす機能が働かなくなるという。この不具合はマニュアルに載っていなかったが、製造元に対応を求めていなかった。

 こうしたことから運輸安全委は、不適切な整備でボルト外側の部品が周りの部品と固着し、過度な力が加わりボルトが破断したと推定した。(贄川俊