大学教授も会員「脅迫ポルノ」 激怒した韓国社会の変化
韓国で女性を脅して自らのポルノ映像などを送らせ、インターネット上の会員サイトで販売していた性犯罪が、社会を大きく揺るがしています。未成年を含む100人超が被害に遭い、脅迫や違法動画の作成容疑などで摘発された300人以上の中には公務員や軍の兵士らも含まれていました。
一方で、閲覧していた1万人超の会員に、大企業の経営陣や大学教授がいるとも報じられ、国民の怒りが爆発。政府には、首謀者だけでなく閲覧者の情報も公表すべきだとする300万件以上の請願が寄せられており、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が徹底捜査を指示する事態に発展しました。こうした激しい世論の反応はなぜ起きたのでしょうか。女性学を研究する文教大の山下英愛教授に聞きました。
事件は今年3月、主犯格の男(25)が警察に逮捕されたのに前後して一気に報じられるようになりました。韓国メディアによると、男らはツイッターなどで、高額のアルバイト料を稼げるモデルを募っているなどとかたり、応じてきた女性に、最初は体の一部の画像などを送らせました。
報酬の支払い名目で名前や連絡先といった個人情報を聞き出したうえ、次第に、裸や性的な格好の写真、動画を送信させます。被害女性らに拒まれると、「親や友人にばらす」などと脅迫。動画などは有料チャットルームで「1番部屋」「2番部屋」などと称して管理し、内容に応じて異なる料金をビットコインなどの仮想通貨で会員から受け取っていました。
被害女性と年齢が近く、朝日新聞の取材に応じたソウル近郊に住む女性(19)は「数年前にも大きなポルノサイトが問題視されて消えたのに、また次のサイトが立ち上がる。韓国で性犯罪が消えることはない。今回の事件もひとごととは思えず、新型コロナウイルスの問題で外出自粛の要請が出ていなければ、私も街頭でデモをしていた」と語ります。普段から、トイレなどに設置された隠しカメラによる盗撮やその映像をSNSで公開された被害を自身も見聞きしているといいます。
事件に対し、多くの俳優や歌…