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 新型コロナウイルスの感染拡大により、最低限の食料の入手さえ困難になる人が今年は世界で倍増し、2億6500万人に上る可能性がある。国連世界食糧計画(WFP)が21日、そんな推計を発表した。ビーズリーWFP事務局長は「飢餓パンデミック(世界的大流行)の瀬戸際にいる」と警鐘を鳴らす。

 WFPなどが公表した「食料危機に関するグローバル報告書」によると、2019年は、55カ国・地域の1億3500万人が深刻な食料危機に陥っていた。主な理由は紛争(7700万人)や天候(3400万人)、経済危機(2400万人)だった。地域別ではアフリカ(7300万人)、中東・アジア(4300万人)が特に多かった。

 今年は新型コロナの感染拡大によって各地で経済活動が停滞しており、深刻な食料危機に苦しむ人の激増につながることが懸念されているという。

 エチオピアやソマリア、ケニアなどの東アフリカ諸国では最近、サバクトビバッタの大量発生により、作物が食い荒らされる被害も広がり、食料問題の深刻化にさらに拍車がかかる可能性がある。

 21日に国連安全保障理事会のオンラインでの会合に出席したビーズリー氏は「我々が直面しているのは世界規模の健康被害だけでなく、人道的な大惨事だ。ウイルスそのものよりも、経済的影響によって多くの人が死ぬという現実的な危険性がある」と指摘。安保理がリードする形での停戦の実現のほか、世界各地で1億人に食料や個人用防護具を配布しているWFPへの支援を訴えた。(ニューヨーク=藤原学思)