拡大する写真・図版3月21日、セルビア・ベオグラードの空港で中国の医療チームを出迎えるブチッチ大統領=ロイター

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 新型コロナウイルスによる危機を前に欧州連合(EU)が連帯を問われるなか、「外」からも揺さぶられている。中国やロシアが間隙(かんげき)を縫うように存在感を示す一方、EUは内部の亀裂の修復に試行錯誤している。(ジュネーブ=吉武祐、モスクワ=喜田尚、ブリュッセル=津阪直樹)

 「欧州の連帯など存在しない。おとぎ話だった」

 EU加盟を目指すセルビアのブチッチ大統領は3月15日、国民向けの演説でこうEUを切り捨て、危機に頼りになるのは中国だと持ち上げた。

 中国は同月、ポーランドなどEU加盟国を含む東欧旧共産圏16カ国にギリシャを加えた枠組みでテレビ会議を主催。中国側が危機対応のノウハウを伝えたこの会議で、セルビアは欧州側の調整役を担った。セルビアはEUの加盟候補国である一方、欧州で随一の中国の友好国として知られる。中国はセルビアに同月21日、6人の専門家を支援物資とともに派遣。習近平(シーチンピン)国家主席はブチッチ氏に電報を送り「戦略的パートナー」だと強調した。地域での「連帯」が揺らぐEUを尻目に、絆の深さを演出した形だ。

 背景には、セルビアなどEU加盟をめざす西バルカン各国のEUに対する不満がある。EUは加盟を目指す国々に多額の資金を注ぎ込むが、あくまでもEUの基本理念を体現する国にするためで、利用には制約が多い。そうした状況を生かし、中国は東欧の経済界が欲しい大規模開発に投資するありがたい存在として影響力を増してきた。

 揺さぶりをかけるセルビアの姿勢に、懸念の声もあがる。カール・ビルト元スウェーデン外相は西側系メディアとのインタビューで「中国を外交カードとして一段と強く使っている」とした。シンクタンクの欧州外交問題評議会は「セルビアは楽しんで二つのいすに座っている」と警鐘を鳴らす。

拡大する写真・図版セルビアの首都ベオグラードで2020年4月1日、道路わきに掲げられた中国の習近平国家主席の看板。「習同志に感謝」と書いてある=ロイター

 EUを悩ませるのは中国との関係だけではない。

 ロシアのプーチン大統領は3月…

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