政府は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の知事に対し、商店街やスーパーの事業者が必要に応じて入場を制限するよう要請することを求めた。大型連休中の行楽を目的とした宿泊事業に、営業自粛などが要請できるとする見解も示した。
商店街やスーパーは休業要請の対象ではないため一部で混雑が指摘され、22日の政府の専門家会議も対策が必要と提言していた。新型コロナ対応の特別措置法には知事による「協力要請」が定められており、政府はこの規定に基づいて各知事が要請するよう文書で依頼。会計待ちの立ち位置の指定や、一方通行の誘導といった対策を例示した。
食品や日用品などの生活必需品の買い物は、外出自粛の対象外とする基本的対処方針の見解は変えていない。一方で知事への依頼を通じ、各地で密集への対策が進むことを政府は期待。住民にも、買い物にいく人数を絞り、混雑時を避けることを改めて求めた。公園での散歩などについても、使い方の工夫や住民への協力の呼びかけなどを講じる要請を知事にするよう依頼した。
政府はまた、大型連休を前に、ホテルや旅館などの宿泊施設に対する指針も各知事に通知。宿泊施設は政府の基本的対処方針で、緊急事態宣言下でも事業の継続が求められているが、大型連休中の不要不急の旅行や観光を目的とした事業はその対象外で、営業自粛などが要請できるとする見解を示した。特措法を担当する西村康稔経済再生相は23日の記者会見で、「密集を避けて、人と人との距離を置きながら、接触の8割削減をぜひ実現していただきたい」などと話した。
営業自粛の要請に応じないパチンコ店などへの対策も現在、課題となっている。特措法には協力要請に応じない個別の施設に対して、知事が施設の使用停止などを要請・指示し、公表する規定もある。
行政手続法に照らして手続きの明確化を求める声が知事から出ていたことを受け、今回その手続きを明示し、要請・指示後に各都道府県のホームページに施設名や所在地、理由などを公表する。また、公益上の緊急性があれば対象施設に弁明の機会を与える必要はないなどとした。(中田絢子)
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