拡大する写真・図版中門付近から大仏殿を見る参拝客。大仏の顔が見えるように正面の唐破風の下にある観相窓が開けられている=2020年4月24日午前、奈良市の東大寺、西岡臣撮影

[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、京都や奈良の大寺院が拝観を停止している。寺は開かれた「祈りの場」であり、拝観停止は苦渋の決断だった。一方で、不安な日々が続く今こそ、祈りを捧げてほしいと、インターネットに配信するなど工夫をこらす。

大仏の顔見られるような工夫も

 「奈良の大仏」で知られる東大寺(奈良市)。24日朝8時半前、普段は通れない中門(ちゅうもん)が開けられた。大仏をまつるお堂に入れなくなり、中門の先の柵から大仏を拝める。大仏の顔が見られるように観相窓(かんそうまど)も開けた。通常は元日やお盆などに開ける窓だ。この対応は5月31日まで続く。

拡大する写真・図版開かれた中門の扉=2020年4月24日午前、奈良市の東大寺、西岡臣撮影

 毎朝お参りする市内の主婦、阿波谷(あわたに)陽子さん(51)は「修学旅行生や観光客がたくさん来ている時期で、さみしい。新型コロナが出たころには、こんなことになるとは思っていなかったから、ここまできたのかと思うと怖い。お堂の中に入れないけど、大仏さまは守ってくれていると思うし、早く終息してほしいと願うだけ。普通の生活がどれだけありがたかったか改めて感じる。東大寺がにぎやかになる普通の奈良に戻ってほしい」と話した。

 4月7日に7都府県に緊急事態宣言が出され、寺は拝観のあり方を検討していた。この時期の拝観者は例年なら1日数千人に上るが、緊急事態宣言の後は数十人に激減している。

拡大する写真・図版開かれた観相窓から見える大仏の顔=2020年4月24日午前、奈良市の東大寺、西岡臣撮影

 森本公穣(こうじょう)庶務執事は「感染防止には寺を閉じることが一番だが、精神的に不安に感じる人が多い。その人たちの心のよりどころとして、何とか大仏さまを拝んでもらいたいという思いで議論してきた」と明かす。

 法隆寺(奈良県斑鳩町)は5月6日まで、全伽藍(がらん)の拝観を停止するが、金堂にまつる本尊を拝めるように中門の扉を開け、中門の手前から参拝してもらう。

 薬師寺(奈良市)も25日~5月6日、境内の大部分の拝観を停止する。ただ本尊・薬師如来は拝めるようにする。

 興福寺(奈良市)は4月15日から中金堂などの拝観を中止した。一方で僧侶が毎日、東金堂でお経を唱え、終息を祈る。この間、東金堂の外から一緒に拝んでもらおうと扉を開けている。3月中旬、医学博士に相談して対策を検討したという。辻明俊(みょうしゅん)執事は「僧侶や職員の安全を守った上で、いかに仏さまとの縁を結んでもらうか考えた」と話す。

拡大する写真・図版拝観停止を発表した日の興福寺。拝観者はまばらだった=2020年4月14日、奈良市、岡田匠撮影

門は閉ざさず

 京都では、五重塔で有名な東寺(京都市南区)が22日から当面の間、境内の金堂、講堂、観智院、宝物館の拝観を停止した。毎月21日に1千店の露店が出る「弘法さん」の縁日も今月、中止になった。25日~5月25日に予定していた五重塔特別拝観も中止に。

拡大する写真・図版拝観停止を告げる看板。奥は五重塔=京都市南区の東寺

 「堂宇を閉ざすという判断には…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら