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 新型コロナウイルスの感染拡大に対応して政府が打ち出した1人10万円の現金給付について、家庭内暴力(DV)の被害で住民票の住所と異なる場所で暮らす人への支給方法を総務省が決めた。DV被害が確認できる書類があれば、いま住んでいる自治体に申し出ることで受け取れるが、それでも受け取りが難しいケースは残る。

拡大する写真・図版DV被害で避難している人に自治体窓口で出してもらう「申出書」の様式

 対象の人には自治体の窓口で「申出書」を提出してもらう。申出書は市町村の窓口のほか総務省ホームページなどでも入手できる。申し出の情報は住民票がある自治体へ連絡し、世帯主への支払いをストップする。そのため総務省は原則として24~30日に自治体の給付金窓口に申し出るよう呼びかけるが、30日をすぎても申し出はできる。

 申出書にもとづいて住民票がある自治体へ連絡するが、いまの住所などの情報は知らせない。

 申し出にはDV被害を確認できる書類が必要となる。たとえば裁判所からの保護命令決定書や、配偶者暴力相談支援センターや市町村などにDVについて相談したときの証明書などだ。すでに住民票を移しており住民基本台帳の閲覧制限などの支援を受けていれば、書類は必要ない。内閣府によると1年以内の避難で、公共料金の請求書などで居住地が確認できれば、市町村のDV相談窓口で書類を発行してもらえる。

拡大する写真・図版DV被害を受けて避難している人が給付金を受け取る方法について、総務省がつくったチラシ

 DV被害者を支援するNPO法人「全国女性シェルターネット」の北仲千里代表は「民間シェルターの証明でも受け取れるなど柔軟な対応になった」と評価する。ただし、世帯主と同居している人は対象外。住民票を移さないまま1年以上前に避難した人も必要な書類の発行が受けられない可能性があるという。

 総務省は、親から虐待を受け、児童養護施設や里親などのもとで暮らす子どもについても救済する方針だが、こちらも施設を退所した人や家から逃れて友人宅などに身を寄せるケースなどは受け取りが難しい可能性がある。

 10万円の一律給付は、外国人を含めて4月27日時点で住民基本台帳に登録されている人すべてが対象。原則として世帯主に家族の全員分をまとめて支給するしくみとなっており、DV被害者らへの支給方法を総務省が検討していた。(豊岡亮、岡林佐和、山本奈朱香