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 新型コロナウイルス感染拡大防止のために政府が全世帯に配布する布マスクをめぐり、納品した興和と伊藤忠商事が未配布分を回収すると発表したことについて、菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で「(配布が)予定より遅れるのは事実だ」と述べた。一方で「なるべく早く配布できるよう取り組んでいきたい」と語り、配布自体は見直さない考えを示した。

 政府は布マスクにかかる約466億円の経費のうち、2020年度の予備費で233億円を確保し、さらに同年度補正予算で233億円を計上する方針。現在は予備費分で、全世帯向けの半分にあたる約6500万枚の配布を進めている。17日から東京都で配布が始まったが、一部に不良品が見つかり、政府がメーカーに検品体制の強化などを要請していた。

 菅氏は会見で、使い捨てマスクの品薄が解消しないなかで、布マスク配布は「国民の不安解消の政策目的」だとした上で、「必要な対応であり、代替できる手段はない」と強調。現在の予備費233億円を使った配布についても「より安く早く調達をすることに努めた結果、マスク調達費用が積算よりも低い90億円に収まる予定だ」と述べた。

 会見では、補正予算で233億円をかける予定の残りの布マスクの全世帯配布を取りやめ、希望者への配布に見直すべきではとの質問もあったが、「そうしたことは考えていない」と述べ、あくまでも当初の予定通りに全世帯への配布を続ける考えを示した。(菊地直己)