新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各国・地域でプロスポーツのリーグや大会が中止、延期を余儀なくされる中、台湾では、12日にプロ野球とサッカーリーグが無観客で始まった。開催へどんな判断基準をもち、感染防止はどうしているのか。(坂名信行、中小路徹)
台湾のプロ野球(CPBL)は2度の開幕延期を経て無観客で行われている。CPBLに、現況などをメールで取材した。
台湾で開幕できた理由として感染者の拡大が爆発的でなかったことが挙げられる。CPBLによると、中央感染症指揮センター(CDC)の定めるガイドラインに基づき、コロナ対策の手順などを作成。そのうえで台湾当局と各自治体から開催の了承を得た。
当初の想定は無観客でなかったという。年間会員を対象に上限150人の観客を入れ、座席は1メートル以上の間隔を空けて座る方式などを模索した。だが、集団感染のリスクを減らすことなどから断念した。
公式戦が始まったものの、選手たちは検温で体調を厳しくチェック。試合中はつばを吐いたり、かみたばこや、ひまわりの種を口にしたりすることは禁じられている。
また、観客のいない客席には太鼓をたたくロボットを置いたり、チアリーダーがダンスしたりして応援にも一工夫している。感染源を特定するため、報道陣は取材者リストを提出。健康であることを示す書類を提出し、取材は選手と距離をとってマイクを使って行われている。
CPBLの呉志揚コミッショナーは「(各球団)全120試合を完全に消化したい」とコメントした。ただ、外出禁止令が出されたり、選手や関係者、報道陣に感染者が出たりしたらリーグ戦は中断となる。その場合、リーグ戦を再開するには感染者数の推移を見ながら専門家の助言を受け、政府と関係自治体と協議して検討するという。
無観客開催によって入場料収…

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