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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、県境を越える往来に対しても、行政が取り組みを強めている。長野県は25日、県内のインターチェンジ(IC)で県外ナンバーの車の登録地を調べる取り組みを始めた。現状を把握して今後の取り組みに生かすという。山形県は空港や主要駅など7カ所で、来県者を対象に検温を本格化させた。

 JR山形駅の新幹線改札口そばでは、県職員らが持ち込んだサーモグラフィーの画面を確認し、山形新幹線を降りたばかりの乗客をチェックした。ただ、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全国に広がったこともあり、山形駅で降りる乗客は数人程度だった。

 東京から里帰りしたという男子大学生(18)は「駅に着いて検温の実施に驚きましたが、こういう社会情勢なので理解できます」と話した。帰省中は友人らと会わずに家族と過ごすという。「東京は人が多いので感染が心配。山形は空気がきれいで安心できます」

 長野県はこの日、「信州の観光はお休み中」と題したキャンペーンを始めた。ICや駅などの目立つ場所に県外からの来訪自粛を求める看板を掲げ、啓発活動に力を入れる。

 長野県は、別荘地が多い軽井沢や霧ケ峰周辺で「コロナ疎開」の動きもあり、県域をまたぐ新型コロナウイルスの流入に神経をとがらせてきた。首都圏と接点のある人から感染が広がる事例が相次いでいるためだ。

 7都府県に緊急事態宣言が出た翌日の今月8日、阿部守一知事は県民だけでなく帰省や旅行で県内を訪れる人にも往来の自粛を強く要請し、やむを得ず往来した人には外出を2週間控えるよう求めた。

 全国有数の「観光県」として、ゴールデンウィークに観光客が押し寄せるのではとの懸念は消えず、国の方針に含まれない独自の対策にも踏み切った。23日から観光客をターゲットにしたホテルや旅館に休業を要請。温泉や観光名所も矢継ぎ早に休業を決めた。(北沢祐生、江川慎太郎)