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 長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼(こうやぎ)工場に停泊中のイタリアのクルーズ客船コスタ・アトランチカで、新型コロナウイルスの感染者148人が確認されるなか、工場に停泊中だった同じ船会社の別のクルーズ船2隻が、26日に離岸した。

 午前11時過ぎにコスタ・ネオロマンチカ(5万6769トン、乗員391人)、午後8時にコスタ・セレナ(11万4261トン、同669人)が離岸。長崎県によると、2隻にはこれまでのところ、感染を疑わせる症状を訴えている人はおらず、ネオロマンチカの看護師1人が感染者の健康管理のため、アトランチカに乗船したという。

 運航するコスタクルーズの日本支社によると、2隻とも早期の離岸を優先し、目的地は確定していない。フィリピンのマニラを軸に調整中だという。同社は24日、ウェブサイトで「(2隻について)必要な補給を近日中に完了後速やかに長崎港を出港し、日本国外に向かう」と公表していた。

 同社によると、コスタ・ネオロマンチカは4月10日から、コスタ・セレナは2月22日から香焼工場に係留されていた。同社は新型コロナの影響で1月下旬から営業航海を止めており、行き場を失った船が各地の港を転々としていたという。

 一方、感染者が出たアトランチカでは、600人を超す乗員の健康管理を船医1人と数人の医療スタッフで担っているため、コスタ社からの要請に基づき、26日には陸上自衛隊の医師らが船外で診察などの医療支援に当たった。(横山輝、榎本瑞希)