原水禁世界大会もオンラインで コロナへの発言も相次ぐ

有料記事核といのちを考える

佐々木亮 大隈崇
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 核兵器廃絶を訴える原水爆禁止世界大会が25日、インターネット上で開かれた。今年が原爆投下から75年となることから、当初は4月下旬から予定されていた核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて国連本部のある米ニューヨークでの開催を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。大会を準備してきた国際NGOが連携し、オンラインで開いた。

 「核戦争防止国際医師会議」(1985年にノーベル平和賞)などの国際的に活動するNGOが開催を呼びかけ、日本からは日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)、原水爆禁止日本協議会原水協)、原水爆禁止日本国民会議原水禁)が加わった。「人類の生存を脅かす二つの危機」として「核兵器」と「気候変動」をテーマに、世界中の約千人がオンライン会議システムで参加した。動画投稿サイト「YouTube」で生中継された。

 長崎原爆被爆者で日本被団協事務局次長の和田征子さん(76)は、体験を英語で語った。2017年に国連で採択後、日本や核保有国などが反対している核兵器禁止条約について「長年たたき続けてきた、さびついた大きな鉄の扉がやっと開き、一筋の光が入ってきた。この扉をもっと広く開けるのは各国政府の決断であり、それを動かす市民の行動」と訴えた。

 国連軍縮部門のトップ、中満泉事務次長も参加し、「被爆者の証言は人々の心を動かし、『核兵器をなくそう』という力をくださっている。若い人たちに声を届けようという努力に感謝しています」とたたえた。国境を越えて広がるコロナ禍については「集団的な対応が必要。さまざまな社会が手をつないで連帯する機会にもなっている。分断と困難を乗り越え、核兵器廃絶という目的に達する努力を進められるよう祈っています」と話した。

 コロナ禍を克服するために、平和運動の国際的な連携がいっそう重要になるとの発言が相次いだ。

 大会を企画した米国のNGO…

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