拡大する写真・図版ナップランドを背負う北海道小樽市の原田怜旺くん

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 北海道小樽市で小学生の通学風景を眺めると、あることに気づく。ランドセルの児童が少ないのだ。代わりに、リュックサックのような共通のデザインのかばんを背負っている。赤、青、黄……。色とりどりのこの通学かばんは「ナップランド」と呼ばれ、小樽で生まれて今年50周年を迎えた。今ではインターネット販売や観光客にも人気が広がりつつある。半世紀にわたって愛される理由とは。

軽い・丈夫・お手頃=ナップランド

 小樽市内の市立小学校で4月6日、入学式があった。新型コロナウイルスの感染拡大で全国に緊急事態宣言が出される前の、つかの間の登校。校庭には元気よくあいさつする新入生の姿が見られた。新1年生の原田怜旺(れお)くん(6)は黒色のナップランドを誇らしげに背負うと「これで学校へ行って、勉強をがんばりたいです」と笑顔だった。

 ナップランドは、市内の二つのかばん店で売られ、新入生の6~7割が買っている。重さ約660グラムでランドセルより300グラムほど軽い。縦横が約30センチ、幅が約11センチ。撥水(はっすい)加工のナイロン製の素材で雨や雪にも強い。価格はランドセルの5分の1で7千円ほど。色は定番の赤や黒だけではなく黄色や緑色など10色以上をそろえる。

 その歴史は50年前の1970年にさかのぼる。「山や坂の多い小樽にあったランドセルをつくってほしい」。小学校の先生からの要望を受け、市内のかばん店が試作品をつくった。その後、五つのかばん店が集まって「小樽鞄(かばん)・袋物小売商組合(小樽鞄商組合)」を結成した。75年には東京のメーカーに発注し、本格的に販売を始めた。「ナップザックの軽さ」と「ランドセルの丈夫さ」という意味を込めて「ナップランド」と名付けた。

 保護者の間で「軽くて丈夫。低価格」と評判が広がり、販売から1年で7割以上の新入生に愛用されるようになった。

拡大する写真・図版かばん店「バッグのムラタ」に置かれている初期のナップランド=北海道小樽市

生き残りへ 「画期的な決断」

 組合がナップランドを推したの…

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