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 十分なPCR検査をしている国ほど新型コロナウイルスによる死亡率は低くなる――。千葉大大学院の研究グループは、こんな解析結果を発表した。ポイントになるのは検査数に占める患者数の割合を示す「陽性率」。7%を超えると死亡者が増えるという。

 研究の中心になったのは、同大学院薬学研究院の樋坂章博教授(臨床薬理学)。PCR検査での感染拡大防止の効果を客観的に示すため、世界49カ国・地域の検査数、陽性者数、死亡者数のデータを入手し、分析した。

 地理要因などで比較しやすい欧米の中で、陽性率と1億人あたりの1日の死亡者数を比較したところ、積極的に検査をしているノルウェーなど陽性率が7%未満の国は7%以上の国と比較して、死亡者数は10分の1から5分の1程度だった。陽性率が7~16・9%、17~28%では死亡者数に差はないことから、「陽性率を7%未満にすることが抑制に重要」としている。

 これまで専門家の間では「検査は症状が出ている人を優先し、軽症者は患者の受け入れ態勢が整ってからにするべきだ」という意見も強かった。

 日本を含めたアジアでは、人口あたりの死亡者が欧米より少ないという指摘についても解析したところ、感染拡大30日後の感染者・死亡者数は約100倍と明確な差があった。同グループはその原因について、高齢化の程度、予防接種を含んだ厚生制度、遺伝の差異などの可能性があるとしている。

 厚生労働省によると、国内の1月15日から4月21日までの陽性率は10・3%。千葉県内は16・2%だった。上昇傾向にあり、同グループは「検査能力を拡大することが急務」としている。

 樋坂教授は「積極的にPCR検査をすると陽性者がかなり増えるので準備が必要だ。ただし、その多くは軽症者。隔離が必要な人は増えるが、その段階を乗り越えて初めて感染終息に至る。現在、東京でPCR検査を受けた人の陽性率は30%を超えており、厳重な警戒が求められる」と話す。(重政紀元)