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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福島・会津地方の代表的な民芸品「赤べこ」を、感染防止のシンボルとして活用する動きが広がっている。近くに置くと疫病から逃れられるとの言い伝えがあり、市役所前では特大の赤べこを展示。地元の神社は特製の護符をネット上で配っている。

 福島県会津若松市の市役所正面玄関には、22日から布製マスクをつけた全長約165センチの赤べこが置かれている。普段は県外のイベントなどで使うが、コロナの影響で相次ぎ中止。倉庫で眠っていた。

 東北地方では、方言で牛を「べこ」と呼ぶ。市史によると、かつて悪性の疱瘡(ほうそう)(天然痘)が流行した際、病気の子どもに赤べこを贈ったところ、たちまち治ったという話が伝わる。強い呪術力がある赤色は悪い病気を退散させることができ、赤べこの体にある黒い斑点は天然痘の痕を表しているとも言われる。市の担当者は「コロナの早期終息を祈願し、感染予防の啓発にもつなげたい」と話す。

 福島県猪苗代町の土津(はにつ)神社では、赤べこのイラスト入りの護符を作った。神社で配れば人が殺到し、「3密」が生じる恐れもあるため、ツイッター(@hanitsu_jinja)上で無料でダウンロードできるようにしたところ、2万回以上もリツイートされている。

 禰宜(ねぎ)の宮沢重嗣さん(35)もスマートフォンの待ち受け画を「赤べこ」の護符に変えた。宮沢さんは「いまは辛抱の時。ただ、辛抱するにも勇気を与えてくれたり、不安を和らげてくれたりする象徴となるものが必要。赤べこがその一つになればいい」と話している。(上田真仁)