シドニー=小暮哲夫
オーストラリア政府は26日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、感染者が接触した人を追跡するためのスマートフォン用アプリを導入する、と発表した。同日からインストールを呼びかけるが、プライバシー保護をめぐる懸念に配慮し、強制はしない。また、警察の捜査など、目的外に使用した場合は最高で禁錮5年の罰則を科す。
アプリは近距離無線通信のブルートゥースを利用し、導入した人同士が「1・5メートル以内の距離で15分間以上」の濃厚接触をした場合、それぞれのスマホにデータを暗号化して記録する。アプリ導入者の感染がわかった場合、保健当局者が本人の同意を得て過去21日間の記録を入手し、接触者に連絡するという。
豪州では現在、感染者の聞き取りでわかった濃厚接触者に連絡し、自主的な隔離を求めている。アプリを利用すれば、感染者が覚えていない濃厚接触者にも連絡できる、としている。似たアプリはシンガポール政府が導入し、ニュージーランド政府も準備している。
豪州の感染者数は26日現在で6711人で、最近の1週間の感染者増は1日平均で約16人に抑えられている。政府は5月に外出規制の一部緩和を計画しており、その条件として、幅広い検査態勢や感染経路の追跡の強化を挙げている。(シドニー=小暮哲夫)
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朝日新聞国際報道部