夏の「よさこい祭り」中止 高知の風物詩、開始以来初
踊り子が木製の打楽器「鳴子(なるこ)」を鳴らして乱舞する夏の高知の風物詩「よさこい祭り」が、新型コロナウイルスの影響で1954年の開始以来初めて中止となった。高知県や高知市などでつくる主催団体・よさこい祭振興会が27日、発表した。
振興会が「不特定多数の人が長時間集まる状況が避けがたい」として、全役員58人に中止を提案し、27日までに全員が賛成したという。今年は67回目で、高知市中心部で8月9~12日に開催予定だった。昨年は国内外から207チーム、約1万8千人の踊り子が参加した。
第1回から参加している踊り子チーム「帯屋町筋」の隊長楠瀬昭一さん(45)は「物足りない夏になりそうだが、今の状況では仕方ない。終息して早く元気な高知に戻ってほしい」と話した。よさこい祭りの歴史などを紹介する高知よさこい情報交流館(高知市)の佐伯泰典館長は「密着するほど人が集まるのが本来のよさこい祭りなので仕方ない」と中止に理解を示した。
よさこい祭りは、戦後復興を願い、徳島の阿波踊りも参考にして、地元の経済界が中心となって始まった。色鮮やかな衣装や「ヨッチョレ、ヨッチョレ」という軽快なリズム、鳴子が特徴。同様の演舞の催しは、札幌市の「YOSAKOIソーラン祭り」など全国に広がっている。(清野貴幸)
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