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 菅義偉官房長官は27日、政府が配布している布マスクの受注企業について、公表していた3社以外に、妊婦や介護施設向けなどを2社が受注していたとして社名を追加で公表した。このうち、福島市の商社「ユースビオ」の樋山茂社長は朝日新聞の取材に対し、社名の公表を政府側に了承していたと説明し、公表が遅れた理由については「分からない」と答えた。

 布マスクは妊婦や介護施設向けなどのほか、全世帯向け、小中高校や特別支援学校向けに配られる予定。厚生労働省は21日、このうち全世帯向けに配る布マスクを受注したのは興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの3社だと明らかにしていた。

 厚労省などの説明によると、妊婦や介護施設向けなどの約2千万枚(うち50万枚が妊婦用)は、この3社のほかに横井定、ユースビオの2社が受注していたという。

 このうちの1社ユースビオが朝日新聞の取材に応じた。

 樋山社長によると、同社はベトナムからバイオマス発電の燃料となる木質ペレットを輸入する社員約5人の商社。現地の縫製技術のある工場でマスクの委託生産を始めたところ、話を聞きつけた政府から大量生産の依頼があったという。

 マスクは綿35%、ポリエステル65%の立体型で、鼻や口が完全に覆われる。政府からの発注を受け、すでに1枚135円で350万枚を納入。新型コロナウイルスの感染拡大で航空便が減る中、特別な許可を得て8機をチャーターして空輸したという。

 今回、汚れや異物混入などの不良品が発覚した直後に政府側から社名公表の是非を確認され、樋山社長は了承していたと説明。菅官房長官は同社の社名を公表した理由について「改めて確認を行ったところ、妊婦用に配布されていたことが確認できた」とした。

 不良品は、妊婦や介護施設向けのほか、全世帯向け、小中高校や特別支援学校向けなどの一部から見つかった。樋山社長は自社の製品について「汚れや異物混入など、不良品の報告はゼロ」と強調。興和と伊藤忠の未配布分は、回収が23日に発表された。回収により配布は遅れる予定だが、政府は計画自体は変更しない方針だ。