新型コロナウイルス感染拡大による生活危機。仕事や住まいを失うなど追い込まれた人の「SOS」に民間支援団体が緊急対応しているが、資金や物資は不足している。ニュースに心を痛め、何かできないかと思っている人も少なくないはず。こうした団体に協力する方法もある。
今月半ばの夜、東京・渋谷の繁華街近く。鮮やかなピンク色のバスの元に、少女が一人、また一人とやってくる。「こんばんはー」。スタッフが静かに声をかけ、飲み物や菓子、弁当を振る舞った。神奈川県から来た女性(18)は「ここに来ればお弁当や果物があって、相談にものってもらえる」と話した。
街をさまよう少女に緊急滞在先を提供
虐待などで家にいられず街をさまよう10代の女性を支援する一般社団法人Colabo(コラボ)が開く「バスカフェ」。改装したバスを拠点に無料で食事や衣服などを提供する。携帯電話の充電もできる。必要な場合は緊急滞在先も支援する。
女性は同居する親に「嫌われて」生活費も大学の学費も出してもらえず、飲食店のバイトを二つ掛け持ちする。国の緊急事態宣言の後はシフトがほぼ入らず、月10万円ほどだった収入は1万円余りに。バイトにも大学にも行けない。何度も「不安」と言った。
Colaboは、ふだん渋谷と新宿で交互に月数回開いてきたバスカフェを、宣言後は毎週開く。医師や行政に相談し、テーブルの間隔をあけ、消毒やマスク着用などの対策をとってまで継続する理由を、代表の仁藤夢乃さんは「外出自粛や休業要請によって、家にいられない事情のある子がますます追い詰められている」と話す。
「ファミレスもネットカフェも自粛になり、行くところがない」「ホテルを転々としていたが、コロナでバイトもできなくなって全然お金がない」。週10人ほどだった相談は、宣言から1週間で65人を超えた。仁藤さんは、政府の対応を「弱者への視線がない。避難先などの救済措置もないまま放り出された」。
最も懸念するのは、少女たちが苦境につけ込まれ、性犯罪に巻き込まれることだ。宣言後、都内のホテルに50人分の緊急滞在先を新たに確保した。バスカフェ開催時にはスタッフが夜の街を回り少女たちに声をかけるアウトリーチ活動も続けている。
ステイホームの一方で、ホーム失う人
「ステイ・ホームと言われるなかで、ホームを失った人、失おうとしている人がいる」。貧困や雇用などの問題に取り組む20団体超が参加する「新型コロナ災害緊急アクション」は16日、関係省庁などに、生活が苦しい人たちへの支援強化の申し入れと政策提言を行った。
参加団体の一つで、生活困窮…

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