【動画】首都高速道路に集まる「ルーレット族」の若者たち=加藤諒撮影
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 東京都心の首都高速道路で、夜な夜な騒音をまき散らして暴走しながら周回を繰り返す「ルーレット族」が活動を活発化させている。新型コロナウイルスの影響で時間を持て余し、外出自粛によりガラガラの首都高に繰り出しているようだ。警視庁は警戒を強めている。

 小池百合子知事が「ステイホーム週間」を呼びかけた、大型連休初日の25日午後9時ごろ。首都高辰巳第1パーキングエリア(PA、東京都江東区)は、50台弱分の駐車スペースが70台ほどの車であふれかえっていた。関東各都県のナンバープレートを付けたスポーツカーなどが、低いエンジン音をうならせながら出入りを繰り返した。

 車外に集まって話し込む姿もあちこちで見られた。さいたま市の男性(27)は5台ほどで連なって走り、1周の早さを競うという。「一般車が減って走りやすくなった」。愛車は英アストンマーティン社製のスポーツカー。時速200キロ超を出すこともあるという。

 埼玉県和光市に住む大学4年の男子学生(22)は2学年下の彼女と見物に来た。授業もアルバイトも飲み会もない。「暇すぎて頭がおかしくなりそう。ドライブしかやることがない」

 国土交通省のまとめでは、7都府県を対象に緊急事態宣言が出た7日以降、首都高の交通量は減少傾向が続いている。対象が全国に広がった後の25日は前年の6割に。一方、ルーレット族は増加の一途といい、警視庁は取り締まりに力を入れる。

 「まもなくPAは閉鎖になります」。午後9時半ごろ、そう呼びかけながらパトカーなど十数台が一斉に入ってきた。閉鎖後、同PAを拠点に取り締まりを開始。本線を走行する車を次々に誘導し、エンジンの消音器や車幅灯の不備、無免許などの違反17件を摘発した。

 持ち運んで速度違反を取り締まる機器「可搬式オービス」も設置し、8件の違反を検知。今後、運転者などについて捜査を進める。「うるさくて眠れない」といった周辺住民からの110番通報も相次ぎ、普段を大幅に上回る15件に上ったという。

 同庁は連休中、同様の状況が続くとみている。担当幹部は「感染の拡大を防ぐためにも外出はできるだけ控えてほしい」と話す。(角詠之、河崎優子)

ルーレット族
主に時速50~60キロ規制の首都高の環状道路を高速度で走行し、周回の早さを競う集団。危険な運転や騒音が問題になっており、タイヤを滑らせて走行する「ドリフト族」などとともに、警視庁は「違法競走型」として暴走族の一つの類型に位置づける。1990年ごろから目立つようになった。