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 新型コロナウイルスの陽性が確認され、軽症者らが入所する愛知県東浦町の「あいち健康の森健康科学総合センター健康宿泊館」に入所していた男性が、陰性が確認される前に帰宅していたことが28日、わかった。

 県によると、同館は看護師が24時間滞在し、1日2回、検温をするなどの対応をしているが、男性は「適切な医療を受けられない」と県に申し出て、27日に車で帰宅したという。医療機関に入院することには理解を示しているといい、県が調整し、28日に入院した。

 新型コロナウイルスの陽性が確認された軽症者、無症状者について、国は宿泊施設で療養することを基本としている。だが宿泊施設への入所は強制ではなく、県は軽症者らが入所する際には、書面で同意を取って対応しているという。

 また、愛知県では感染者の自宅待機を認めていないため、陰性が確認されないまま宿泊施設を出た人は病院に入れざるを得ない現状もある。

 大村秀章知事は28日の記者会見で、この男性が27日未明、同館の入所者ゾーンからスタッフのいる区域に入ろうとしたことを明らかにした。「不用意な行動で入所施設が運営不能になってしまう可能性があった。日本の法制度では措置命令も出せない」と訴えた。

 県の担当者は「軽症者らから退所を強く申し入れられたら、止める手立てはない。今後も軽症者、無症状者には入所の必要性を丁寧に説明していく」と話している。(小林圭、堀川勝元)