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 新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した手口の詐欺事件(未遂も含む)の被害が3月上旬以降、全国で32件確認され、被害額は計約3117万円にのぼることが警察庁のまとめでわかった。国民への一律10万円の給付金を口実にキャッシュカードをだまし取る手口も目立つという。

 だましや誘いの中でコロナウイルスなどの言葉が使われたり、マスクや消毒液などの販売を名目にしたりした事件で今月27日までの報告分を集計した。千葉、東京、富山、京都、兵庫など13都道府県警で被害届32件を受け、そのうち自治体職員などをかたるオレオレ詐欺などの特殊詐欺が13件。32件のうち容疑者を逮捕・書類送検したのは7件という。

 給付金を巡る手口では、自治体職員を名乗る電話で「給付金が支給される」と告げた上、「口座に振り込むので通帳とキャッシュカードを用意するように」、「手続きにキャッシュカードの暗証番号が必要」などと偽り、被害者宅を訪れた人物がキャッシュカードを詐取する。このようにカードをだまし取ったり盗んだりした事件は8件あり、カードで引き出された額は最高約120万円だった。

 また、自営業者らを対象に「緊急特別貸付」をするとして融資保証金名目で現金約43万円を振り込ませ、詐取した事件もある。

 身内をかたる事件では、東京都内で、兄を名乗り「コロナ関係の仕事をしていて大事な書類をなくした。お金がない」などと電話があり、70代女性が現金計1420万円を詐取された。京都市では、息子を名乗って「自分が保証人になった友人がコロナにかかり、お金が必要になった」などと電話があり、80代の夫婦が現金1千万円を詐取された。

 また、マスクの販売をうたうインターネットのサイトで申し込み、代金を振り込んだが商品が届かない被害も多い。詐取額は1件あたり数千~数万円という。

 警察は、給付金や助成金などを名目にした詐欺や、その予兆となる電話やメールなどに注意するよう呼びかけている。(編集委員・吉田伸八)

■新型コロナウイルスを口実にした詐欺事件 ※警察庁などによる

●市の職員を名乗り「市から給付金が支給されるが、手続きにキャッシュカードの暗証番号が必要。カードを封筒に入れて渡して欲しい」と電話。自宅に現れた男がカードを詐取

●県の職員を名乗り「給付金10万円が支給される。口座に振り込むので通帳とキャッシュカードを用意してほしい。市職員を向かわせる」と電話があり、自宅に現れた男がカードを詐取しようとした

●飲食店経営者に「緊急特別貸付のご案内」とする資料をファクスで送信。電話で「緊急特別融資をします」と持ちかけ、融資保証金として約43万円を振り込ませた

●公益団体職員を名乗って住宅を訪ね、「このあたりでコロナウイルス患者が出たので調べている」と言い、検査費名目で現金をだまし取ろうとした

●兄を名乗り「新型コロナ関係の仕事をしていて大事な書類をなくした。信頼できる男を行かせるからお金を渡してほしい」と電話があり、その後路上で現金計1420万円を詐取

●会社経営を装い「コロナで会社が苦しくなり、従業員のため金が必要」などと偽り、知人から現金約78万円を詐取

●マスク販売をうたうサイトで申し込み、代金を振り込んだが商品が届かない。サイト記載の電話番号も虚偽だった

●「コロナウイルスの影響で集まれない子供たちに町内会で配るためのパンがほしい。明日払う」などと偽り、パンを詐取