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 東北芸術工科大学(山形市)は、学生や教職員らが自らマスクを作れる「マスクラボ」を学内に開設した。全国的なマスク不足の中で「芸術大学らしく乗り越えよう」という試み。現在、学生のキャンパス内への立ち入りを制限しているため、当面は主に教職員の利用となるが、今後マスク作りを授業に採り入れることも検討している。

 ガラス窓に向かって八つの作業机が等間隔に並ぶラボ。利用者は好きな布を選んで、手縫いかミシンでマスクを作れる。2枚の布を縫い合わせるだけの立体マスク、布の裁断から始め、顔とマスクが密着するように加工するプリーツマスクと、2種類の説明書を準備した。飛沫(ひまつ)を防ぐなど「エチケット」として使えるマスクを想定している。

 テキスタイルコースの安達大悟講師は「顔の凹凸でちょっとしたゆがみが出るなど、マスクは洋服以上に繊細。作る人の工夫を期待したい」と話す。

 新型コロナウイルスの感染が広がっていた3月末、芸工大では新学期の授業方法を検討。学生や教職員のマスクの確保が課題になり、「無いなら作ろう」との声が教員から上がった。材料は佐藤繊維(寒河江市)や鶴岡シルク(鶴岡市)など県内企業から、端材のニットやシルク生地を提供してもらった。

 芸工大は6月末まで全授業をオンラインで実施する予定。この間、ラボで作業するのは主に教職員と見込まれるが、企画を統括したプロダクトデザイン学科の酒井聡准教授は「自分で作れる環境があれば、学生たちも安心して大学に戻ってきてくれるのでは」と話す。

 学内での授業再開後には、マスク作りを新入生のカリキュラムに採り入れることも計画。試行錯誤しながらの制作が、芸術やデザインの基本を学ぶことにつながることを期待する。十分な量のマスクが作れたら、地域への寄付も検討しているという。(西田理人)