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 新型コロナウイルスの影響で外出禁止や自粛が長引く中、いつどうやって「解除」を進めていくか――。各国に迫られる難しい判断に、イスラエルの著名なコンピューター科学者が一つのアイデアを提唱している。

 論文のタイトルは「経済封鎖をせずに、新型コロナウイルスを食い止められるか」。感染リスクの低い若者たちを先に解放し、高齢者はなるべく自宅隔離を続ける――。そんな戦略を実現するための独自の計算方法を編み出したのが、論文のミソだという。

 書いたのはヘブライ大のアムノン・シャシュア教授。車の自動運転技術で世界のトップを走る「モービルアイ」の創業者で、CEOでもある人物だ。同社は2017年、米インテルに153億ドル(1・7兆円)で買収されたことでも大きな話題となった。今回の提案の狙いについて、ビデオ電話で本人に取材した。

拡大する写真・図版外出禁止の解除の方法について、独自のアイデアを提唱するシャシュア教授=ジョナサン・ヘプナー氏提供

 ――コンピューター科学者なのに、なぜ感染症対策の論文を出すことにしたのですか。

 「感染症の専門家が取り組むべきテーマだと普通は思いますよね。ただ、今回のウイルスは『分からないこと』が多すぎる。疫学的な解析が難しいのです。感染のピークはいつで、本当の感染者数が何人なのかは、誰も知らない。もし外出禁止を解けば何が起きるかは、疫学的な計算ではなかなか分かりません」

 「そこでコンピューター科学の出番です。不確定な要素の中で、計算によって最悪のケースを避けるための条件を導き出すのは得意分野です」

 ――専門である自動運転技術の開発にも通じる考え方ですか。

 「その通りです。自動運転の場合、安全性と利便性のバランスが常に問われます。事故の可能性をゼロにしたいなら、車に乗らなければいい。でも人間は生活のために車に乗ります。事故の可能性を十分に減らしつつ、自動車をいかに走らせるか。今回、その発想を応用したわけです。感染を恐れて、ずっと家にこもっているわけにはいきませんから」

 ――具体的にどんな提案なのですか。

 「まず社会を二つのグループに分けます。『高リスク』は67歳以上や持病を持つ人たち。『低リスク』はそれ以外の人たちです。そして『低リスク』のグループだけ、外出禁止令を解除します」

 「普通の生活に戻った若者たち…

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