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 ソフトバンクグループ(SBG)は30日、2020年3月期決算(国際会計基準)の純損益が9千億円の赤字になる見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の逆風を受け、昨秋に巨額の金融支援を決めた米シェアオフィス大手「ウィーワーク」が重い足かせとなっている。

 4月13日に公表した業績予想では、投資ファンドでの多額の損失計上で、営業損失が1兆3500億円、純損失は7500億円になるとしていた。今回は営業外損失が8千億円から1兆円超に膨らみ、純損失も拡大。1兆円超のうち7千億円がウィー社関連という。

 SBGが多額の上場益を見込んで約1兆円を投じたウィー社は昨年、創業者の利益相反や乱脈経営が発覚して上場計画が頓挫。SBGは10月に約1兆円の追加支援を決め、多額の損失を計上した。孫正義会長兼社長は腹心のSBG副社長をウィー社に送り込み、「一気にV字回復する」と昨年11月に自信をみせていた。新規出店をやめ、人員削減などで経費を削り、黒字体質に変えるはずだった。

 だが、新型コロナで2月以降、世界の株式市況は悪化。ウィー社が本社を置くニューヨークを含め、米国の主要拠点や海外の大都市でも外出禁止の動きが広がり、オフィス需要は急減した。ウィー社は3月下旬、再建に必要な資金は十分にあると表明したが、4月には物件の賃料交渉や追加の人員削減検討などの報道が相次いだ。資金繰り悪化への懸念から、社債の利回りが上昇。利息の負担増やオフィス収入減などがSBGの業績にも響いたとみられる。

 SBGは4月2日、追加支援策の一部を見直し、約3200億円分の株式を既存株主から買い受けるのをやめると発表。創業者への米当局の捜査やコロナ問題での事業制約を理由としているが、ウィー社側は契約違反だとしてSBGを提訴。再建の行方は混迷を深めている。SBGは5月18日に決算を発表する予定。(井上亮)

ソフトバンクグループ(SBG)のウィーワーク投資をめぐる主な出来事

17年8月 ウィーワークに初めて出資

19年9月 ウィー社で創業者の不祥事などが発覚、新規株式公開を撤回

  10月 約1兆円の追加支援を発表

  11月 ウィー社投資などで巨額損失計上。中間決算は15年ぶりの営業赤字

20年3月 SBG株が3年超ぶりの安値に。4・5兆円の資産売却と2・5兆円の自社株買いを発表

4月2日 追加支援のうちウィー株買い付けを撤回

  13日 ウィー社などの投資損失で20年3月期決算が純損失7500億円の見通しに

  30日 同決算で純損失9千億円の見通しに