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 米国の核兵器によって、他国は報復を恐れ、攻撃を思いとどまる。こうした「抑止力」を、自国だけでなく、日本にも「拡大」して提供する。核の拡大抑止とも呼ばれる「核の傘」をめぐり、日米同盟の姿は変貌(へんぼう)を遂げつつある。

 「核なき世界」を掲げたオバマ氏が米大統領に就任して1カ月たった2009年2月25日。米議会で開かれたペリー元国防長官が座長を務める「米戦略態勢に関する諮問会議」に秋葉剛男駐米公使(現外務次官)らが呼ばれた。秋葉氏らは「米国の拡大抑止に関する日本の視点」と題する3枚紙を配り、米国の核政策に注文をつけた。

 「日本を取り巻く現在の安全保障環境は、米国の核抑止を含む抑止を必要としている」「米国が配備する戦略核弾頭の一方的な削減は、日本の安全保障に悪影響をもたらしうる」――。

 会議は非公開で行われたが、米NGO「憂慮する科学者同盟」が入手した文書には、日本側が米側に「核の傘」の重要性を説き、一方的に削減しないよう求める訴えが記されていた。

 日本側の主張はこれにとどまらない。地中深く堅固な地下施設や移動式目標、サイバー攻撃や衛星攻撃など生々しく列挙して、これらに対応できる攻撃能力保有を米側に要求。「米国の抑止能力は敵の様々な脅威をリスクにさらすことができるよう柔軟であるべきだ」と強調した。軍事的台頭が著しい中国や核ミサイル開発を進める北朝鮮が念頭にあるのは明らかだ。

日米で核戦略の協議

 一方、文書では「米国が展開す…

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