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 8世紀中期の奈良に混ぜそば用の器(うつわ)があった? 奈良文化財研究所(奈文研)の研究員が、そんな可能性を指摘する論文を発表した。麺専用の器とされる土器の存在を明らかにしようとした論文はこれが初めてという。

 奈文研が若手所員に発表の機会を与える試みとして発行した「奈文研論叢(ろんそう)」第1号に収録された。執筆したのは、飛鳥時代から奈良時代の土器を研究する森川実主任研究員(45)。

 森川さんによると、当時、東大寺の写経所で経典の書写事業に従事していた下級役人の写経生らが、麦を原料にした「索餅(さくべい)」を食べていたことは、これまでの研究で知られていた。

 あらためて正倉院文書に注目すると、写経所の事務員にあたる役職の者が「麦垸(むぎまり)」という器を要求していた。平城宮・京からは「麦」と書かれた土器が複数出土している。おおむね直径が約17センチ、高さが約6センチの椀(わん)状の須恵器だ。森川さんは、この土器が索餅を入れた麦垸だと考えた。

 索餅は、小麦の生地を油で揚げ…

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