第1回「お願い」という名の強制力 緊急事態で強まる私権制限
三輪さち子
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態が宣言され、外出や営業の自粛呼びかけが続く。感染を抑えようと私たちはこれを受け入れているが、「ウイルスと闘う」との合言葉を前に、かき消されているものはないか。73回目の憲法記念日に合わせ、緊急事態下の不自由を考える。
「まるで非国民のよう」
日本のあちこちを、重苦しい空気が覆っている。
東京・品川の戸越銀座商店街。「人出が多い」とテレビで繰り返し報道され、ネット上には「殺人商店街」と書き込まれた。
商店街連合会の事務所で抗議…