[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校で自宅にいる子どもの生活リズムが崩れ、勉強しなくなった――。そんな親の声を聞いた元小学校教諭の菊岡基益(もとよし)さん(65)=奈良県宇陀市=がオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を利用した無料の寺子屋を開講したところ、ほとんどの参加児童が決まった時間に勉強し、規則正しい生活を送るようになったという。

 オンライン寺子屋は自学自習の習慣を定着させることを目的とし、対象は宇陀市の小学2~6年生。平日は午前6時15分、土日曜は午後7時半に開講する。

 塾長の菊岡さんも参加児童も自宅でパソコンに向き合う。菊岡さんのパソコンには参加児童全員が個別に映り、子どもたちのパソコンにも菊岡さんとほかの参加児童が映る。30分間算数を中心に市販の問題集を解き、自己採点の結果を菊岡さんに報告。菊岡さんは勉強や生活面の注意点について話をする。子どもたちは各自でどの教科をどこまでやるか決めてからパソコンに向かっているという。

 5月1日に開講し、参加児童は現在約20人。菊岡さんが監督を務める地元のミニバスケットボールチームのメンバーがほとんどだ。

 親から「早起きできるようになった」「回を重ねるごとに集中できるようになった」「仲間が頑張っている姿にも刺激を受けて続けられています」といった声が寄せられている。すでに自学自習の習慣が身について「卒業」した児童が10人を超えたという。

 周囲の視線を気にしなくていいせいか、恥ずかしがらずに大きな声を出せるようになった児童もいるという。菊岡さんはオンラインでの双方向の指導に「いろんな発見がある。日々感動します。新型コロナの収束後も続け、広げたい」と話す。新たな参加児童と塾長を募ることにし、市の広報誌の6月号に募集記事を掲載した。

 寺子屋は菊岡さんが事務局を担う宇陀松山まちおこし支援隊の事業だ。いずれ有料にし、支援隊のまちづくり活動の一つにしたいと考えている。(石川和彦)