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 新型コロナウイルスの対策を検討する政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)が1日開かれ、提言をまとめた。新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相は会議後に会見し、緊急事態宣言を延長する必要性について「緩和すれば感染拡大が再燃し、これまでの行動変容の努力や成果が水の泡になる恐れがあるとの評価をいただいた」と述べた。

 一方で、感染状況は地域によって差があることから、「引き続き徹底した行動変容が求められる地域と、緩和する地域の二つの地域に応じて対策を講じる必要があるとご指摘をいただいた」と説明した。重点的に対策を進める必要があるとして13都道府県が指定されている「特定警戒都道府県」と、その他の区域で今後の対応に新たに強弱を付けることも検討する考えを示した。

 会議前に朝日新聞が入手した提言案では「諸外国の感染状況や対応を踏まえると、国内の感染状況に応じて持続的な対策が必要になることが見込まれる」と指摘し、緊急事態宣言の延長が妥当との認識を示したうえで、長期的な対策の必要性を強調している。会議での意見を踏まえ、午後に提言を公表する。

 会議では、新型コロナの感染拡大に伴い緊急事態宣言の対象区域が全国に広がって2週間となる4月30日までの国内の感染状況の推移、宣言後の各地の人の流れや人の接触率などのデータ、医療体制の状況などについて議論した。

 提言案は、全国や、とくに警戒を強める地域となった13都道府県の累計感染者は爆発的な感染者の増加(オーバーシュート)を免れ、新規感染者は減少傾向に転じるという一定の成果が現れ始めている、とした。

 一方、人出の減少や人同士の接触の削減といった点については、接触頻度の8割削減を達成していない地域があったとした。そのため、外出自粛などの対策を緩和すると「感染者の拡大が再燃しそれまでの行動変容の努力や成果を水泡に帰してしまうおそれがある」と指摘。新規感染者数が一定水準以下に下がらない限り、こうした対策を続けなければならないとした。

 そのうえで、「地域や全国で再度感染が拡大すれば医療提供体制への更なる負荷が生じる恐れがある」と指摘。緊急事態宣言による外出自粛や特定業種の営業自粛など、「当面この枠組みを維持することが望ましい」とした。

 全国のほとんどの小中高校で休校が続いているが、提言案は「児童生徒の学習の機会を保障していくことも重要。この感染症は持続的な対策が必要なことを踏まえると、学校における感染、拡大のリスクをできるだけ低減した上で、学校の活動を再開していくことが必要だ」とも述べている。

 厳しい行動制限を続けるか緩和するかの判断は、感染状況と医療提供体制の二つの要素を総合的に勘案していくという考えも示した。

 安倍晋三首相は6日までとしていた緊急事態宣言の期間を延長する意向を示している。政府は4日にも諮問委員会を開き、宣言の延長幅や内容などについて正式に決めるとみられる。西村氏は諮問委の前に専門家会議を再度開いて意見を聞く可能性もあるとした。

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 菅義偉官房長官は1日午前の記者会見で、同日に開かれた政府の専門家会議について「(今後の対応の)判断に際して混乱が生じることのないよう、期限である5月6日に先立って、適切なタイミングで専門家のご意見をうかがいながら、判断していきたい」と述べた。また、現在の国内の感染状況について「諸外国のような爆発的な感染拡大が発生していないと思っている。一方、いまだに多くの新規感染者が発生しており、引き続き厳しい状況であるという認識だ」と語った。