拡大する写真・図版ウェブを使った取材に応じる川崎の鬼木監督

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 たとえスタンドにファンがいなくても、何かが伝わるサッカーを――。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、チームの活動を休止しているJ1川崎の鬼木達監督が1日、メディアのオンライン取材に応じた。中断中のJリーグが無観客試合による再開も検討する中、「そうなったとしてもサッカーの『熱量』は絶対に落とさない」と意欲を示した。

 1カ月ほど全体練習をしていない川崎。この間、鬼木監督は「できるだけサッカー以外のことに頭を置いて『パンク』しないようにしている」。気持ちを整えることに努めてきたという。選手には健康を優先させ、個別の練習メニューなどは与えていない。選手には「医療従事者の方のためにも、自分たちが感染しないこと、感染させないことに重きを置いてほしい」と伝えている。

 一方で「再開したら、選手にはサッカーをできる喜びをかみしめてほしい。サッカーができるだけ幸せだと思ってプレーしてほしい」と話した。

拡大する写真・図版川崎の小林(右から2人目)=伊藤進之介撮影

 再開してもリーグ戦の開催期間は短くなり、過密日程は避けられない。「連戦になれば、けがが増えると思う。リスクを減らすために、何かしら(対応は)しないといけないのかなとは思っている」と鬼木監督。各大会の再開時に選手が過密日程に耐えられるように、国際サッカー連盟が、来年まで1試合の交代枠を現状の3人から5人に増やせるように規則変更する可能性が取り沙汰されている。

 取材中、医療従事者への感謝をたびたび口にした。「本当に疲弊していると思う。『頑張ってくださっていてありがとう』という言葉でいいのかわからないけれども、自分たちは何ができるのかなという思いでいる」。最前線で働く人たちへの敬意と、今優先すべきはサッカーではないという思いがあふれていた。

 今後の見通しが立たない中、練習が再開されたら、まず何をするべきなのか。鬼木監督は「選手も心配しながら始める。一人一人の顔を見るのが必要」と話した。そして試合が再開したら、「良いサッカーをしたい」と語った。(堤之剛)

拡大する写真・図版2017年にJ1初優勝を飾り、喜びを爆発させる川崎の選手たち=関田航撮影