医療データべース情報、製薬企業に無断提供 部長を処分

久永隆一
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 厚生労働省は1日、国の医療データベースの情報を事前に認められた目的以外に利用したとして、国立精神・神経医療研究センターの男性部長(50)に対して、データベースの利用を無期限禁止するなどの処分をしたと発表した。同センターは部長職を解いた。

 データベースは、診療報酬明細書(レセプト)などの情報を150億件以上蓄積。分析により、患者の受診行動などがわかる。研究者の申請を受け、審査をへて厚労省が承諾すればデータ提供している。

 男性部長は2017年に提供の承諾を受けた。19年までの間に、精神疾患治療薬の都道府県ごとの使用量などのデータを、別に共同研究をしていた製薬企業3社などに提供したという。この共同研究には計7千万円が同センターに提供されたが、不適切な支出はみられないという。

 厚労省は情報提供を受けて調査し、必要な手続きを怠って目的外に利用したと認定した。無期限の利用禁止処分は初めてという。(久永隆一)

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