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 新型コロナウイルスの感染拡大で、大阪府内の市町村が独自に実施する緊急対策の総額が少なくとも118億円にのぼることが、朝日新聞の調べでわかった。市民生活への影響をなるべく軽くしたいとの思いがにじむが、財政負担は重くのしかかる。

 4月下旬、全43市町村にアンケートした。独自対策にかける経費を聞いたところ、未定とした大阪市と豊能、太子両町、未回答の千早赤阪村を除き、39市町が一般会計予算で支出する総額は計118億円に達した。

 対策の内容では、休校中の学校などの給食費を無償にする自治体が目立つ。

 大阪市は2021年度から実施するとしていた小中学校の給食費無償化を今年度に前倒しした。

 泉大津市は、小中学校や幼稚園、保育園などの給食費を再開後3カ月程度、無償にする方針。予算は5291万円を見込む。

 泉佐野市や熊取町、岬町は来年3月まで小中学校の給食を無償にするほか、羽曳野市は小学校を無償、中学校では半額にする。

 子育て世帯に現金を支給する自治体も多い。

 門真市は0歳から中学生までの子がいる世帯に1人あたり1万円を支給する。豊中市は、一定の所得水準以下の子育て世帯に5万円を支給する。予算は4億5200万円を見込む。

 寝屋川市や吹田市は児童扶養手当を受給している一人親世帯に5万円を支給する。

 水道料金を減額する動きも。堺市は水道の基本料金を4カ月間にわたって8割減額する。10億円程度の減収になるという。大阪市は全世帯の上下水道基本料金を3カ月全額免除し、80億円の減収を見込んでいる。

 「中小企業のまち」として知られる東大阪市は、マスクや防護服といった感染症対策の商品開発をめざす企業の支援に3千万円を支出する。

 一方、岸和田市など複数の自治体は、予算計上が必要な緊急対策はしていないと回答した。

 どの自治体も財源の手当てには苦慮している。府の休業要請に応じた事業主に最大100万円の支援金を出す事業も、400億円超の経費の半分は43市町村が負担することも決まり、さらに重荷になりそうだ。

 摂津市は一人親世帯に5万円を支給するなどの施策に必要な1億4534万円について、「貯金」である財政調整基金から繰り入れた。市財政課の担当者は「摂津市は法人税の占める割合が多いため、景気に左右されやすい。今後の税収見通しは非常に厳しい状況になるかも」と話す。

 東大阪市も独自対策の経費は財政調整基金から捻出する形で補正予算を組んだ。野田義和市長は4月30日の会見で、「(今後も)何度も補正を組むということになれば、市事業の見直しや延期などが必要になる」と懸念を示した。

 和泉市は職員らの人件費をカットする。市長ら特別職の給与や管理職の手当を5月から来年3月分まで1~2割カットし、計2028万円を削減するという。

自治体の主な独自支援策

・給食の無償化

吹田市、茨木市、寝屋川市、大東市、羽曳野市、泉佐野市、熊取町、岬町など

・子育て世帯や一人親世帯に現金支給

豊中市、吹田市、池田市、高槻市、茨木市、寝屋川市、門真市、大東市、貝塚市、忠岡町など

・プレミアム商品券の発行

守口市、泉佐野市、貝塚市など

・マスク配布

高石市、守口市、富田林市、田尻町、島本町など

・水道料金の減免や減額

大阪市、堺市、高石市、泉大津市、和泉市、羽曳野市、八尾市、柏原市、松原市、東大阪市など