拡大する写真・図版取材に答える権泳臻・大邱市長。「インタビューを含め、市民の前に出る時はマスクは必ずします」=2020年4月28日、韓国・大邱、神谷毅撮影

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 新型コロナウイルスの集団感染が2月に起きた韓国南東部の大邱市(人口約250万人)。だが4月中旬以降は、新たな感染者が5人以下の日が続く。「都市封鎖」のような強制措置や非常事態宣言を行なわず、どう感染拡大を抑えたのか。大邱市の権泳臻(クォンヨンジン)市長に聞いた。(神谷毅)

検査数は、累計10万件に

 ――大邱で最初の感染者が確定したのは、2月18日でしたね。

 「PCR検査で陽性判定の市民が出た、という連絡を受けたのは、前日の午後10時半でした」

 ――どう動きましたか。

 「市役所に駆けつけ、感染者の行動ルートの把握を指示しました。すると、新興宗教団体の信者だと分かったのです。密閉された場所で大勢が参加する礼拝で知られた団体で、すでに感染はかなり広がってしまったと判断でき、衝撃を受けました」

 「市内の信者は約1万人に達します。発生から3日目には全員を隔離して検査を受けてもらうと宣言しました。4日目の21日には全員の電話調査を終え、症状のある人を割り出して隔離しましたが、感染のスピードの方が速かった。23日に1日あたりの感染者が100人を超え、29日にはピークの741人に達しました。結局、市全体で7千人近い感染者が出るとは思いも及びませんでした」

拡大する写真・図版韓国・大邱の地図

 ――信者全員の検査は実現したのですか。

 「1カ月以内に終えました。信者以外にも、重症化や死亡リスクが高い高齢者が入居する施設などでは症状が出ていない人にも先んじて検査を実施し、1日最大7千件近く、累計で10万件に及びました」

 「これほど多くの検査をしなければ感染者数は急速に増えなかったはず。病床も十分にないなかでは検査を遅らせるべきだとの声もありました。ただ、世界のどこにも治療の教科書も薬もない感染症です。一刻も早く大勢の人を検査をして隔離するしか方法はなかった」

■あえて強い言葉で…

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