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 清流四万十川に架かる高知県四万十市の佐田沈下橋。昨年の大型連休は家族連れや観光客で混雑したが1年後、橋は静寂の中にあった。新型コロナウイルスに伴う外出自粛の影響だ。

 佐田沈下橋は全長約290メートル、四万十川の沈下橋の中でも人気がある。昨年の5月2日は海外や全国から観光客が訪れていた。午前11時過ぎには、半袖やTシャツ姿の人々で都会の駅の通勤ラッシュのような光景だった。駐車場は県外ナンバーで埋まり、屋形船も満員の客を乗せて川面を進んでいた。

 1年後の2日、同じ時刻に橋に向かった。駐車場に車はなく、橋を歩く人はいない。上空を舞うトンビの鳴き声と川風だけが聞こえる。近くの喫茶店「川」には臨時休業の掲示。四万十川では屋形船を運行する5業者が新型ウイルス感染拡大予防のため、4月18日から今月6日まで臨時運休している。橋のたもとにある「屋形舟さこや」も臨時運休中だ。経営者で船頭の荒地秀明さん(54)は「17年営業していますが、連休中にこれだけ人がいないのは初めて。季節がよくこんなに天気がいいのに悔しい」。今は再開に向けて船の化粧直しやメンテナンスをしている。妻の千恵さん(47)は「一刻も早く終息してほしいですが、再開後にお客さんが戻ってくれるかどうか不安です」と話した。

 近くの防災行政無線のスピーカーから「コロナウイルス感染拡大防止のために、旅行や帰省など他県との往来を控えてください」という放送が聞こえる。(笠原雅俊)